将来に備えて貯金する理由

もし手元にあるお金をあるだけ使い、まったく貯金しない状態で毎日を過ごすことを考えてみましょう。
そのときは楽しいかもしれませんが、次のような問題が起こります。
まず挙げられるのが、リスクへの備えができないことです。
なんのトラブルもなく、生活できればそれに越したことはないでしょう。
ですが、実際には病気や怪我をしたり、仕事をリストラされたりとリスクは誰しもゼロではありません。
貯金がない状態でこのようなリスクに直面した場合、限られた治療しか受けられない可能性があります。
次の仕事を見つけられるまで、大きな不安に苛まれることになるでしょう。
また、ライフイベントに対応できないことが挙げられます。
人生には結婚や出産などさまざまなライフイベントがありますが、これらは大きな出費がつきものです。
貯蓄がない状態では、イベントの規模にも制限がかかってしまうでしょう。
特に子育てには多くに費用がかかるので、子どものためにもある程度貯金しておく必要があります。
そして、老後の心配が3つ目です。
年金が受給できたとしても、それだけで生活していくのは厳しいと言われています。
年金から医療や介護など必要な費用を払ったり、家電や車が壊れて急な出費があったりすることも考えられるでしょう。
そのようなときに備えて貯金をしておかなければ、心穏やかな老後生活は難しいです。
こうした問題を避けるためにも、急な出費や将来に備えて堅実に貯蓄しておくことは重要と言えます。

よくある問題と改善のコツ

貯蓄するうえでは、人によって貯金の課題に直面することも珍しくありません。
課題に直面したと実感したら、お金が貯まりにくい習慣に自分が当てはまっていないか考えてみましょう。
課題として挙げられるポイントの一つが、さまざまな理由で支出が多くなってしまっていることです。
必要な費用なら問題ないですが、本当に必要な費用でしょうか。
本当に必要な支出であるかどうかを見直すために、家計簿をつけてみる方法があります。
お金の流れを追ってみると、貯蓄に向けたヒントが見えてくるでしょう。
面倒かもしれませんが、貯蓄の目標を見据えて取り組むことで努力が実る可能性が高まります。
例えば、ボーナスを得た際にはつい大きい買い物をするケースも多いです。
自分のご褒美のために、大きな買い物もたまになら問題ありません。
しかし、毎回大きい買い物をしていると、どうしてもお金が貯まりにくくなってしまいます。
また、食費についても外食が多くなっていることが考えられるでしょう。
付き合いで食事をしたり、自炊する時間がなかったりするとある程度はやむを得ませんが、見直しの余地があるかもしれません。
これから発生する支出については、支払方法も注意したいところです。
カードでの分割払い、リボ払いなどは原則使わない方が良いでしょう。
いずれも金利が高く設定されている場合が多いので、毎月の支出が必要以上に増えてしまいます。
すでに支払いを行っている場合は、できる限り早く完済してしまうのが得策です。

財形貯蓄のメリットとデメリット

財形貯蓄のメリットは利子が非課税だったり、財形貯蓄から借り入れられたりすることが挙げられます。
そのため、人生の中で大きなイベントが生じた際、資金として活用できるのががポイントです。
しかも少額で積立できることから、将来まとまったお金が手に入るという点でも、大きな支えになってくれるでしょう。
財形貯蓄では、年金と住宅貯蓄の利子が非課税になるのがメリットです。
一般財形貯蓄は、利子が課税対象になります。
一方、残り2つの財形貯蓄は合計で550万円まで非課税になるため、貯蓄がまるまる自分のものになるのが特徴です。
ただし、550万円を超えると貯蓄に発生する利子が課税対象になるので、注意が必要と言えます。
財形貯蓄する際には、その点も考えながら運用すると良いでしょう。
また、財形貯蓄は一定期間取り崩せません。
ですが、その間に緊急で資金が必要になったときには、財形貯蓄を元本にした融資が受けられます。
融資は家を購入したり、リフォームしたりする場合にのみ受けることが可能です。
このように、メリットが多い財形貯蓄ですがデメリットもあります。
財形貯蓄は全ての企業が導入しているわけではなく、企業によっては利用できない場合があることです。
財形貯蓄を利用したい場合には、まず勤務先の企業が導入しているかどうかを確認しましょう。
あらかじめ指定されている金融機関でしか利用できないので、デメリットも含めて検討することが大切です。